浪人生

現代は浪人生が少ない傾向があります。多くの高校生は浪人するのなら現役で行ける大学に行く。これは昨今の高校生の考え方です。20、30年前は18歳人口も多かったこともあり、浪人生が多かったのも事実です。それに比べて現代は18歳の人口も減り、全入時代とも呼ばれています。

大学の全入時代とも言われて久しい昨今ですが、今の時代は選ばなければ大学に入れる時代となりました。もちろん以前も偏差値の低い大学であれば、入りやすかったのですが、この全入時代とは、形式的に人数だけで考えた場合の全入となります。

全入時代の意味するところは、選ばなければ全員が入れるということで、大卒の資格が比較的容易に手に入るということです。昔は頑張らなければ入手できなかった大卒の資格が現代では、ほぼ誰でも入手できることになったわけです。

大卒は就職を有利に進めるために必要な資格となっています。大学に入ってみると、一部の研究職を目指す人を除いては、ほとんどの人々が就職のために入学していることがわかります。大学も3年くらいになると、どこに就職するのかという話になってきます。ほとんど自分で何かをやっていくという人は皆無に等しいでしょう。

日本人は大学を就職のための登竜門として捉えています。それは海外でもそういえるかもしれません。より高度な思考や知識を得て、どのようなものにでも対応できるような力を備えたものを、企業は欲しがっているためでもあるでしょう。そのため経済、法律、政治のような各学部の卒業生は、就職では有利な立場に置かれます。

実学を学んだ学生は、すぐに働けるような知識を得ていると判断され、就職にも有利になってきます。もちろんそのために大学に入学する選択肢もありでしょう。文学や芸術などの専攻は必ずしもそうではない場合があります。自分の学問への興味を優先する学生も多いです。

浪人生は高校時代の勉強が不足していたために、という人もいるかもしれません。たまたま思い通りにならなかったという人もいるでしょう。どのような人でも自分自身の希望の大学、学部を目指して頑張ってほしいと思います。どのような目的、目標であっても努力していることは将来に繋がっていきます。

長い人生の中での浪人生時代はあっという間であり、有意義なものであるとも考えられます。これだけ一つの目標に向かって努力するような期間は、長い人生の中でもそうそうあるものではありません。ぜひ自身の夢に向かって頑張ってほしいものです。

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